AH21は生まれながらに保有する善玉菌を増やす、理想的な
機能性食品であり、予防医学食品と考えます
TOP AH21の指針 腸の大切さを考える AH21研究結果 AH21とは お問い合わせ


 発酵乳は人々の食生活において、保存食あるいは嗜好食品として親しまれてきた最も伝統的な食品に入るものである。なかでも、乳酸菌の他に酵母や酢酸菌など様々な菌種を含む複雑な微生物叢をもつAH21はその生理学的重要性から保健効果や整腸作用、あるいは長寿との関連性など種々の検討が加えられてきた。このAH21を用いた発酵液はすでに数名のボランティアによる試験で整腸作用が認められる結果が得られているが、今回はin vitroにおけるAH21の腸内細菌への影響について調べた。
〜 予備試験 〜

材料および方法
○ 菌株;理化学研究所より分譲を受けた下記の3菌株を用いた。
ビフィズス菌・・・Bifidobacterium bifidum、B.longum
ウェルシュ菌・・・Clostridium perfringens

○ 材料(AH21発酵液)の調製
新鮮な牛乳培地(全脂乳)に5%のAH21スターターを接種し、25℃にて16時間培養した。この前培養を最低3回繰り返した発酵液を本培養のスターターとして用いた。このスターターを乳成分を配合したベースに接種、スターターと同様の培養条件にて培養した後、5,000rpm、20分間遠心分離し、さらに上清を珪藻土ろ過後0.22μmのフィルターにて無菌的にAH21液を得、これを材料として用いた。

○ 腸内菌の前培養
各菌株はそれぞれの合成培地にて前培養(37℃、16時間)し、最低3回繰り返したものを無菌的に10倍希釈し、本培養に用いた。なお、接種量は0.1%とした。

○ 本培養
培地には10%スキムミルク培地(110℃、10分間殺菌)を用い、これにAH21液を1及び5%になるよう添加し、各菌液を接種した。これに滅菌流動パラフィンを重層し、37℃にて培養を開始し、24及び48時間培養後の菌数を5%ウマ脱繊血加BL寒天培地にて測定した。なお、試験は2連で実施し、コントロールであるAH21無添加のものには滅菌生理食塩水を添加した。
結果ならびに考察
結果は下記表に示すとおり、B.bifidumに対しては不明瞭ながら、B.longumに対してはAH21添加量に応じた明らかな増殖促進効果が認められた。また、ウェルシュ菌に関しては、5%AH21添加において48時間後には約1桁の菌数低下が認められ増殖を抑制する傾向を示した。

[ 表 -AH21添加による各菌株の増殖 ]



〜 本試験(1) 〜

目 的

牛乳培地における48時間までの短時間の試験で、ウェルシュ菌に対する増殖抑制とB.longumに対する増殖促進効果が認められた。しかしながら、これはあくまでも増殖への影響についてのみ調べたものであり、成人のヒト腸内を考えた場合、すでに各腸内菌は増殖状態を経た定常期の状態にあり、この状態での確認が必要であると考えられる。そこで、以下の本試験を実施した。

材料および方法
○ 菌種及び菌株
ビフィズス及びウェルシュ菌の供試菌株としては、理化学研究所から分譲された、Bifidobacterium bifidum 4株、B.longum 3株、Clostridium perfringens 5株とする。また、臨床的に重要な感染炎症起因菌であるC.difficile 1株、食品衝生上の汚染指標菌であるEscherichia 3株、並びに乳酸菌飲料において保健目的で用いられる、Lactobacillus acidophilus 3株を追加する。なお、各菌株の分離原は以下の通りである。
1)B.bifidum 1209( P.Gyorgi 212A), 1254(Intestine of adult), 1255(Fecesbreast-fed infant), 7004(Intestine of infant)
2)B.longum 1217(Intestine of adult ), 7052(Human feces), 7054(Intestine of infant)
3)C.perfringens 1290(Bovine), 3817(Lamb), 3819(Lamb)
4)E.coli 1649(Urine)
5)L.acidophilus 1229(Human intestine), 1028(Human intestine), 1132(Human feces)


○ AH21発酵液の調製
予備試験と同様に新鮮な牛乳培地(全脂乳)に5%のマザースターターを接種し、25℃にて16時間培養した。この前培養操作を最3回繰り返した発酵液を本培養に用いた。このスターターを乳成分を配合した殺菌ベースミックスに接種、スターターと同様の培養条件にて培養した後、5000rpm、20分間遠心分離し、さらに上清を珪藻土ろ過後0.22μmのフィルターにて無菌的にろ液を得、これを材料とした。

○ 腸内菌の前培養
各菌株はそれぞれの合成培地にて前培養(37℃、16時間)し、最低3回繰り返したものを無菌的に10倍希釈し、本培養に用いた。なお、本培養の際の接種量は0.1%とした。

○ 本培養
培地には10%スキムミルク培地(110℃、10分間殺菌)を用い、これにAH21液を0、1、5、10及び20%になるよう添加し、各菌液をこれに接種する。滅菌流動パラフィンを重層後、37℃にて0、24、48及び72時間後の菌数を測定した。なお、菌数測定においてBifidobacteriumとClostridiaには、5%ウマ脱繊血加BL寒天培地を用い、37℃、48時間培養にて計測を行った。Escherichia coliはデソキシコーレイト培地(Merck)を用い37℃、18時間培養、またLactobacilliはBCP加プレートカウント寒天培地を用い、37℃、48時間培養後に計測した。
結果ならびに考察
結果は図1-1〜1-6に示すとおりである。図1-1のB.bifidumにおいては、試験に用いた4株中3株にAH21添加による増殖促進効果が顕著に認められた。
(図1-1〜1-6) 拡大してご覧下さい。
 図1-2のB.longumではE7052及びF7054株においては、AH21無添加のものにおいても増殖が良好で添加効果が明確ではなかったが、D1217株においてはAH21 0%と1%添加ではほとんど増殖しなかったのに対し、5〜20%添加ではピーク時で5〜8.8(対数値)の菌数を示し、明らかな増殖促進作用が認められた。ただ、20%添加においては10%添加と比較して減少傾向にあるが、これはAH21発酵液をpH無調整の状態で添加しており、スタート時のpHが低下したことに依るものと考えられる。
また、今回はビフィズス菌に加えて、小腸上部で有用な働きを担っていると考えられる乳酸菌のL.acidophilusについて試験した結果を図1-3に示しているが、無添加の対照でも良好な増殖を示し、B.longumと同様明らかな増殖促進作用は見られないものの、増殖阻害などの悪影響も認められなかった。今回の結果からも現在腸内有用菌と考えられるビフィズスあるいはアシドフィルス菌に関しては、増殖促進ないしは発育維持作用が認められた。
さらに、今回はウェルシュ菌の他に重要な感染化膿症の原因菌であるC.difficileについても試験したが、期待する阻害作用は認められなかった。

ウェルシュ菌においてもAH21添加による減少が認められたものは3819株においてのみで、他は対照区でほとんど発育が見られず、逆にAH21添加で増殖促進作用を示す結果となる株も見られた。
 この結果は、用いたウェルシュ菌株が非常に栄養要求性、あるいは嫌気性が高いことに依るものと考えられたので、合成培地及び牛乳培地での発育試験を再度実施し、その培養条件を設定した。
この検討の結果、培地調整直後にはいずれの培地においても発育は良好であったが、培地を冷蔵保存した場合には、保存2週間で牛乳培地においてのみ発育阻害が認められ、ウェルシュ菌はビフィズス菌に比べて嫌気性が高いため、培地は試験直前に調整する必要があることがわかった。この反省の下に、あらためて本試験2を試みた。


〜 本試験(2) 〜

目 的
前回の試験においてもある程度のビフィズス菌の増殖促進と、ウェルシュ菌の発育阻害が認められたが、さらに結果を確認する意味でビフィズス菌とウェルシュ菌について試験を再度実施した。なお、今回の試験では前回の効果が乳酸菌のみに依るものか、その他の菌に依存しているのかを知る目的で、AH21発酵液と市販のヨーグルトを試験に加えた。
材料および方法
○ 使用菌種
AH21: B.bifidum 1209,1254,1255,7044
B.longum 1217,7052,7054
C.perfringens 1290,3816,3817,3818,3819
市販ヨーグルト: B.bifidum 1209,1255
B.longum 1217
C.perfringens 1290,3816,3817
○ 材料の調製
AH21については前回と同様に行った。ヨーグルトについては、市販ヨーグルトを遠心分離にてカゼインとホエーに分解した後、0.22μmのフィルターにて除菌したものを試料とした。
結 果
結果は図2〜13に示す通りである。B.bifidumにおいては、AH21を添加したいずれの菌株おいても、添加濃度に依存した増殖促進が認められた(図2、3、4、5)。市販ヨーグルトを添加した1209株(図2)では添加濃度が低くなるに従って、菌数が多くなる傾向を示した。また、1255株(図4)においても、ヨーグルトではAH21の如き濃度依存性の変化は認められなかった。
(図2〜13) 拡大してご覧下さい。
B.longumにおいては、AH21を添加したものでも濃度に依存した増殖促進は認められなかった(図7、8)。B.longum 1217(図6)においては、AH21及びヨーグルトともに無添加のもので24時間以降菌数が低下し、72時間では生残しなかったのに対して、1〜20%添加のものでは72時間後にも良好な生残を示した。但し、両群とも濃度依存性変化はやはり認められなかった。
ウェルシュ菌(図9、10、11、12、13)に関しては、3819株を除いて5株中4株の菌株でAH21を20%添加したものでは、24時間あるいは48時間後には菌が生残できず、ヨーグルト添加でも3816株では同様の傾向を示したが、1290株ではAH21の結果と比較すると、明瞭な抑制効果は認められなかった。
結 論
(1)乳酸菌及び酵母を主体とする発酵乳である「AH21」を用い、腸内細菌の増殖が及ぼす影響について試験した。
(2)試験材料としては「AH21」と、対照として市販ヨーグルトを用い、遠心分離にてカードを除去したホエーを0.22μmのフィルターで無菌的にろ過したのを用いた。
(3)予備試験においてビフィズス菌の増殖促進作用と、ウェルシュ菌の増殖抑制効果が認められたので、さらに本試験を実施した。用いた腸内細菌は、B.bifidum 4株、B.longum 3株、L.acidophilus 3株、C.perfringens 4株、C.difficile 1株、及びE.coli 2株の17株である。
(4)ビフィズス菌に関しては予備試験と同様、増殖促進作用が認められた。しかしながら、抑制作用についてはE.coliで抑制傾向が認められたものの、C.difficile についてはその効果は認められなかった。また、予備試験で抑制効果が認められたウェルシュ菌においては無添加の対照で発育が悪く、効果を明らかにすることができなかったため、その原因を検討した結果、ウェルシユ菌は嫌気性が強いため培地は試験直前に作製することが必要であることがわかった。
(5)AH21の効果について確認する目的で、ビフィズス菌7株及びウェルシュ菌4株こついて再試験を実施した。なお、この試験には対照として市販のヨーグルトを追加した。ヨーグルトに関しては用いた菌株が少なかったこともあるが、その効果が明確ではなかった。しかしながら、AH21を添加したものでは明らかなビフィズス菌の増殖促進効果と、ウェルシュ菌の増殖抑制効果が認められた。
□良いビフィズス菌を増やし、ウェルシュ菌を48時間以内で、80%減少させること
□良いビフィズス菌を増やし、ウェルシュ菌を72時間以内で、100%減少させること
□ また、この結果からクロストリジェーム、デイフイシル菌も減少させることが推測できる。

よって、AH21は医学界にとっても大いに貢献することが期待できる。

(クロストリジェーム、デイフイシル菌)
臨床学的見地から、人間の病気の元である炎症を起こさせる、腸内のウェルシュ菌(悪玉菌)の一種であることが最近判明し、この菌を解毒中和させることは人間にとって重要な意味を持つ。
安全性に関する検討 / ストレスによる抑制 / 白血病細胞について / コレステロール抑制 / 血糖値降下 /
血圧改善 / 血液流動性改善 / ウェルシュ菌抑制 / 腸内細菌の発育 / 便秘改善について / 研究まとめ
Copyrights(C) 2007 INTERNATIONAL BIOGENICS RESEARCH INSTITUTE JAPAN all rights riserved.